連載コーナー


まちだより
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まちだより

元気いただきました!

 新型コロナ感染ニュース関連の情報が多すぎて戸惑う日々が続いていますが、この暗雲を吹き飛ばすごとく元気な方々とお会いしてきました。それは、父が卒業した「海軍経理学校第35期」の同期会です。御年95歳のカクシャクとした男性3名様を、私たち二世がお迎えしました。父親をすでに亡くしている二世たちですが、父親の面影を求め、開催のたびに参加させていただいています。

 この3名の方々のお元気な事と言ったら、もはや一緒に会っていただきたいほどです。まずはA氏、大阪からの夜行バスで東京に着くやいなや、靖国神社に参拝して会場へ。2番目のB氏は未だに現役の公認会計士さんで、社名を聞けば誰でもわかるパン会社の設立当時からの重鎮。私が「あのパンのモチモチ感、良いですねえ」と申し上げれば、少年のような笑顔が返ってきます。極めつけの大トリは、舞鶴の海上自衛隊の元総監で航空母艦「鵬翔」に乗っていたC氏。今年中には免許返納するとおっしゃりながら、電動自転車は毎日乗車、夕食のお買い物は欠かさないとのことです。しかしながら、月に1、2回は自転車ごと、ひっくり返るそうで、「なんで、転ぶと骨にヒビが入るのだ!しかしながら、ほっとくとくっつくから不思議だ!」と平然とおっしゃるので、こちらのほうこそひっくり返りそうでした。ビール瓶の栓をまだ自前の歯で開けられるとの一言には、「やってみたまえ」と命令されたらどうしようと、思わず自分の歯を隠しましたっけ。

「貴様のあの相撲は強かった、しかし水泳はオレのほうが上だ」などと負けん気の強い若き主計科候補生に戻った95歳の方々の背筋はいまだにピンとしています。遠い昔の帝国海軍の底力を彷彿とさせるあの方々には、菌も怖くて寄り付かないだろうと、元気をいただいた若輩者でした。 

(写真と文 町田香子)